エクセルで作る飲食店メニュー

はじめに

飲食店の経営戦略において、メニューブック(表)やお品書きが重要な役割を果たすことは言うまでもありません。 食欲をそそる料理写真を多用したメニューやPOPは強力な販売促進ツールです。特に客単価の向上には大きな武器となります。しかし飲食店の大半をしめる個人経営のお店では、 制作コストに二の足を踏み、単に商品名と値段を列記した簡略なメニューが使われていることが多いのではないでしょうか。 たしかにプロのカメラマンに撮影を依頼し、デザイン会社に制作をまかせると、そのコストは数十万円になってしまうこともあります。
通常メニュー表などのデザインはイラストレーター等の専用ソフトを使用しますが、 上のメニューはエクセルで作られたものです。エクセルはもちろん表計算ソフトですが、使いこなしによっては外注したメニューと遜色のないメニューの作成が可能です。

無料テンプレート

どなたでも無料で自由にお使いいただける飲食店メニューのテンプレートをご用意しました。エクセルがインストールされているパソコンをお持ちなら、自由にカスタマイズしてお使い頂けます。

A4サイズ縦形用のテンプレートの一例です。
A4サイズ横形用のテンプレートの一例です。

テンプレート一覧

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テンプレートはパソコンやエクセルに詳しくない方でもご利用できるように、出来るだけ簡単に作れるよう心がけていますが、 お店にあわせてカスタマイズするためにはある程度エクセル操作の知識が必要です。
ご利用の際はテンプレートの使い方をご覧ください。さらに記事を読み進めていけば、本格的なオリジナルメニューの自作も可能です。

なぜエクセルなのか?メニュー表作成に使えるソフトは

メニュー表を作成するには何らかのソフトが必要になります。ウィンドウズ付属のメモ帳やワードパッドでも、作れないことはないですが、凝ったデザインは不可能です。
最強最適なソフトは、ずばりイラストレーター+フォトショップです。これらを使えば、ほんとんど出来ないことは有りません。しかしながら、このソフトはかなり高価なソフトで、操作を覚えるのも大変です。
実際の選択肢は普及率から考えてマイクロソフトのワードかエクセルとういことになるでしょう。ある程度パソコンの知識がある人なら、エクセルは表計算ソフト、メニュー表という印刷物を作るならワードを使うべきと考えるかもしれません。エクセル本来の使い方を無視した印刷物がネ申エクセルなどと揶揄されことも知っています。
しかしワードはワードプロセッサというソフトの性格上、1枚ものの印刷物作成には最適化されていません。論文や報告書といった複数ページに対応するために、図や表の配置の自由度が制限されています(出来ないことはないのですが)この点パワーポイントの方が直感的な操作が可能ですが、普及率の点でワード、エクセルには及びません(オフィス365のユーザーはパブリッシャーというソフトも使うことが出来ますが)。
飲食店のメニュー表は表というぐらいですから、料理名と金額が表形式で分かりやすく表示されていれば、最低限の機能は果たします。あとは写真が掲載出来て、ちょっとしたデザイン要素を加えてやれば充分、使用可能なものがで出来上がります。
エクセルは表計算ソフトですから表の作成は得意です。作成した表や写真も、ちょっとした知識があれば、直感的に配置や移動ができます。なにより日頃、売り上げの集計や税金の計算で使うことの多いエクセルを使うのが心理的にも一番敷居が低いのではないでしょうか。

知ったうえで付き合おう、エクセルの問題点

エクセルを使ってのメニュー表作成について知っておかなければならないことがあります。 このエクセルのメニューテンプレート、まったくもって完璧主義者には向いていません。再三エクセルは表計算ソフトと書いてきましたが、ソフトの性格上というか仕様上、DTPソフトとして使用するにはいくつかの欠点が有ります。この欠点を知ったうえで、 まぁそれぐらいはしょうがないと思える方のみご利用ください。

画面には表示される文字が途切れる(涙)

これはDTPソフトとしては大問題ですが、エクセルと付き合うには大目にみなければならないことのひとつです。 代表的な例として編集するパソコンの画面で見えていた文字が印刷すると途中で切れてしまうことがあります。これはセル幅ぎりぎりに文字を入力するとかなりの頻度で発生します。これは入力する文字数に対してセル幅に余裕を持たせることで対処するしかありません。またテキストボックスでも盛大に発生します。なお印刷前にファイルをPDFとして保存して、表示を確認すれば、ある程度この現象を確認できるので、紙やインクを無駄にしなくてすみます。

配置したワードアート等のオブジェの位置がずれることがる(涙)

画面に配置したオブジェの位置が印刷するとずれていることがあります。きっちり揃えたはずの図形がズレれて印刷されると、かなりストレスが溜まりますね。これは図のプロパティで[セルに合わせて移動やサイズ変更をしない]にチェックを入れると改善されますが完璧ではありません。

正確なサイズの印刷ができない(涙)

図の挿入で正方形を書き、図のプロパティで大きさを10cm ×10㎝と指定します。ところが印刷した正方形の幅は、自分の環境では9.4cm、高さは9.2㎝でした(正方形ですらない)。ちなみにワードではちゃんと10㎝四方の正方形が印刷できます。
これは名刺用紙やラベルシールの印刷では致命的です。これは諦めてワードを使ってください。

フチなし印刷はほぼ不可能(泣)

フチなし印刷可能なプリンターを使っても、エクセルではフチなし印刷は難しいです。エクセルの印刷範囲はセル単位になっているので、余白を0にしても余白ができてしまいます。印刷範囲の最終セル幅を調節して左右の余白を消しても、今度は上下に余白が出来てしまいます。これを消すためにセルの高さを調節すると...
ざっと思いつく範囲でエクセルDTPの問題点を書いてみましたが、これ以外にも不具合は多々あります。しかしながら、出来るだけ簡単に見栄えのするメニューが作れるソフトはと考えると個人的にはエクセルが一番ではないかと考えています。

あわせてお読みください

メニューの作成は単に印刷物を作成するだけの作業ではありません。メニューには飲食店の経営戦略のすべてが詰まっていると言っても過言ではありません。売価決定時に欠かせない原価計算や売上シュミレーションさらに日々の売上管理集計が出来るエクセルのファイルも提供していますので、ぜひご活用ください。
さらに美味しそうに見える写真の撮影法、無料で使える素材の紹介など飲食店の経営に役に立つ情報を多数掲載していますのでご一読ください。

原価計算エクセルシート

料理の原価計算はお済ですか?面倒な原価計算を自動化します。

料理写真撮影の基本

メニューに使う料理を美味しそうに撮影する方法を説明しています。

原稿作成用エクセルシート

メニュー構成のアイデアをまとめる為のエクセルシートです。


オフィスUTの内山と申します。北海道旭川でSOHO(Small Office Home Office)を営んでいます。小さな飲食店の便利屋さんです!お店の印刷物等でお困りの方は気楽にご相談ください。


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